ライバーになるには何か特別なスキルや資格が必要なわけではありません。その手軽さから未成年でも人気ライバーとして活躍している人がたくさんいます。しかし、未成年が利用することにはさまざまな制約や気を付けておくべきことがあります。また、未成年がリスナーになることについても、本人だけではなく周囲の大人にも知っておいてほしいことがあります。ここでは、未成年のライブ配信事情やその問題点についていくつかご紹介します。
・ライブ配信には年齢制限がある?
・そもそも校則違反にならないか
・学校での配信で気を付けておくこと
・未成年による課金は注意が必要
ライブ配信には年齢制限がある?
ライバーにはなにか特別なスキルや資格は必要なく、誰でも気軽に活動を始めることができます。ただし、アプリによって配信に関する年齢に制限を設けています。主なアプリの配信年齢の制限は以下の通りです。
①17LIVE(ワンセブンライブ)
18歳未満…5:00~22:00(※22:00~翌5:00は配信不可)
18歳以上…配信時間に制限なし
参照:「17LIVEアプリ利用規約」
https://jp.17.live/term-of-use/
②Pococha(ポコチャ)
18歳未満…利用不可
※18歳以上が同伴でも配信者のメインが18歳未満である場合、配信停止になることも。
18歳…5:00~22:00(※22:00~翌5:00は配信不可)
19歳以上…配信時間に制限なし
参照:「Pococha(ポコチャ)公式「18歳未満の利用年齢制限の導入について」」
https://report.pococha.com/n/n8722bc5377c4?gs=1c2ffa5be026
③SHOW ROOM(ショールーム)
利用規約にはとくに年齢制限の明記なし
ただし実際は、18歳未満は5:00~22:00(※22:00~翌5:00は配信不可)という情報も。
参照:「SHOWROOM 会員規約」
https://www.showroom-live.com/s/terms
④ツイキャス
利用規約にはとくに年齢制限の明記なし
ただし、13歳未満はアカウント登録の申請が承諾されないことがある。
参照:「ツイキャス利用規約」
https://twitcasting.tv/indexlicense.php
アプリによって年齢制限の明記があるものとないものとがあります。日本の労働基準法において18歳未満の年少者は22:00~5:00までの労働が禁止されているため、これに基づいてライブ配信の時間帯と年齢が考慮されているようです。ただし、「ライブ配信」=「労働」と捉えるかどうかの概念が明確ではないので、曖昧な領域ともいえます。
そもそも校則違反にならないか
未成年の学生がライブ配信する際は、そもそも学校の規則に違反しないかどうかの確認をしておきましょう。学校によってはアルバイトなど給料が発生するような業務や芸能活動を禁止しているところがあります。ライバーはたくさんいるので「簡単にはバレないだろう」と考えている人も多いでしょう。しかし、不特定多数に視聴されるライブ配信は誰がいつどこで見ているのか分かりません。遊び感覚で始めることができるライバーですから、ルールの意識を高くもつことは難しいかもしれませんが、守るべきことはきちんと守ってくださいね。
学校での配信で気を付けておくこと
上記のような校則違反にあたらず、堂々と学校の休憩中であったり、中には授業の様子であったりをライブ配信する未成年ライバーも増えています。本人は悪気がなくても、他の学生や先生が映り込んでしまったり教室などの風景から学校名を特定されてしまったりすることがあります。これは周囲に迷惑をかけることにもなりますし、ストーカー行為にもつながりかねないので非常に危険です。学校でのライブ配信は学生ならではで、ファンにとってはライバーの日常が垣間見える興味深い配信内容ではあります。しかし、トラブルを防ぐためにも学校名や個人が特定されないよう、十分に配慮しておいてください。
未成年による課金は注意が必要
ライブ配信の醍醐味「投げ銭」ですが、未成年による異常な高額な投げ銭は世界中で問題視されています。たとえば、ある小学生は親のクレジットカードを使用して約30万円、ある高校生は約500万円の投げ銭を投じるなど、エンターテイメントを楽しむ範疇とは言い難いようなケースも報告されています。コロナ禍で学校が休校となり、人と接する機会が減ったことでライバーにのめり込む未成年も少なくありません。未成年による課金はほとんどが親のお金を使用していることでしょう。周囲の大人は、現在の子どもたちが異常なほど高額な投げ銭を必要としてしまう心理面にも留意して、過剰な課金に至らないよう見守っていくことが課題となります。
ほかにも未成年によるライブ配信をめぐる問題点はさまざまあり、今後も未成年利用者が増加するにつれて潜在的な課題も見えてくるでしょう。発育に悪影響のない範囲でライブ配信を利用していくためには、本人はもちろん親を含めた周りの大人たちの理解も必要不可欠です。コロナ禍で急速に発展した新しいコミュニケーションの手段でもあるライブ配信。良い方向に可能性を広げていけるようにしたいものです。