最近では親子で動画配信をして、ものすごい数の再生回数を獲得しているYouTuberをよく見かけるようになりました。もしあなたが親子配信に興味があるならば、「HIMAWARIちゃんねる」や「なーちゃんねる(Naaachannel)」などの人気親子YouTuberの名前を一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。それに倣って、ママライバーのなかには親子でライブ配信をしてリスナーの数を増やしていこうと考えている人もいるでしょう。しかし、ライブ配信で子どもを出演させることには、YouTube以上に気を付けておかなければならないことがあります。
・ライブ配信は編集ができない
・子どもの心を守るために
ライブ配信は編集ができない
それは、ライブ配信ならではの編集をすることができない特性にあります。テレビの生放送と同様でライブ配信においては、配信中に個人やその人の住所などを特定できるようなものが映り込んでしまっても、あとから修正することはできません。また、子どもの顔出しをすれば画像検索で簡単に個人が特定されてしまうこともあります。そこから近所や通っている学校まで調べられる危険性もあります。ライバーネームで活動しているから大丈夫、本名は公開していないから心配はいらない、と安易に考えることは非常に危険です。
また、リスナーはコメント欄で直接すぐにライバーとやり取りができるため、子ども自らリスナーに教えてはいけない個人情報を漏らしてしまう可能性もあります。子どもの年齢にもよりますが、突発的に配慮に欠いた発言をしてしまい、お友達やその家族にまで迷惑をかけてしまうこともあるかもしれません。また、何かの著作権を侵害するような行為に相当してしまう場面も考えられます。子どもだけに限りませんが、ライブ配信においては特に、本人としては悪気がない発言がリスクをはらんでいるかもしれないという意識が大切です。
子どもの心を守るために
ライブ配信で子どもを出演させたい、どうしても親子配信がしたいというならば、楽しさや手軽さだけでなく、それに伴うリスクについても充分に理解しておく必要があります。どんなSNSであっても不愉快なコメントをしてくる人を見かけることはあります。残念ながら、リスナーの中にも心ない発言をする人が一定数いるのは確かです。悪口や誹謗中傷などの理不尽なアンチコメントに対して、子どもが深く傷ついてしまう可能性もあります。
また、そういった場面に遭遇したことがある人は感じたことがあると思いますが、コメント欄が荒れている配信はなんとなく雰囲気が悪くなってしまいます。その結果、他のリスナーまで去ってしまうこともあります。子どもが悪いわけではないのにせっかく好意的に見てくれている人たちまで離れていってしまうと、「自分のせいかな…」「面白くないから悪口を言われたのかな…」などと、疎外感を感じてしまうこともあるかもしれません。
過度に子どもを怖がらせておくことが良いわけではありませんが、子ども達にはしっかりとライブ配信のリスクを伝えておくことが重要です。ライブ配信アプリによっては、アンチコメントをしてくるユーザーをブロックする機能も付いています。もしも子どもが傷つけられていると感じたならば、すぐにそのユーザーをブロックして子どもを守りましょう。
このように、子どもと一緒に配信するには一人で行うよりもずっといろいろなことに気を使っておくことが重要になります。さまざまなことを考慮すると、まだ分別のつかない年齢の子どもにライブ配信させることをおすすめはできません。しかし、親としては子どもの「やりたい」という気持ちを尊重したい気持ちもあるでしょう。そのためには、生配信の最中に映り込んでしまうかもしれない情報やプライバシーに関すること、著作権、匿名性に関する発言、誹謗中傷に関するさまざまなことを親がしっかりと理解し、管理しなければなりません。今や、YouTubeやライバーのお仕事は、子ども達の「なりたい職業」として人気を集めており憧れでもあります。楽しみつつ時には「ダメなものはダメ」だとしっかりと伝えて、安全にライバー体験をすることを第一に考えておきましょう。