スマホ一つで稼ぐことが可能なライバー。副業として気軽に収入を得ることができますが、ライブ配信で売り上げが発生する以上、忘れてはならないのが確定申告です。確定申告には人によってさまざまな条件があり、複雑でよく分からないという人も多いのではないでしょうか。しかし非常に重要なことでもあるので、まずは確定申告がどういったものであるのか理解し、少しでも苦手意識をなくしていければと思います。
・確定申告とは
・副業ライバーの確定申告
・「収入」と「所得」の違い
・ライブ配信にかかる経費にはどんなものがある?
・住民税を忘れずに!
確定申告とは
確定申告とは、1年間(毎年1月1日から12月31日まで)の所得と所得税額を計算して税務署に申告し、納税することをいいます。一定の所得がある場合は確定申告をしなければなりません。もし確定申告が必要であるのに申告しなかった場合は、「無申告加算税」や「延滞税」など重いペナルティを科せられることがあります。
副業ライバーの確定申告
本業としてライバー活動していて課税所得がある(=ある程度の所得を得て納税が必要である)場合は、基本的に確定申告が必要です。それでは、副業としてライバー活動している人は、年間いくら以上稼ぐと確定申告が必要になるのでしょうか。結論からいうと、副業ライバーは年間所得が20万円以下なら確定申告は不要です。副業の年間所得が少額だとかかる税額はそれほど多くないにもかかわらず、申告には時間と手間がかかります。そういった少ない所得税の確定申告を免除しようと決められているボーダーラインが、年間所得20万円以下というわけです。
「収入」と「所得」の違い
ここで理解しておかなければいけのが「収入」と「所得」の違いです。ライバーでいう「収入」と「所得」とは、
[所得(実際の儲け)]=[収入(ライブ配信における売上)]-[ライブ配信に掛かった経費]
であり、[ライブ配信に掛かった経費]の額が大きければ、[実際の儲け(所得)]の額は小さくなり、その結果かかる税率も少なくなります。つまり、この「収入」と「所得」の違いを理解して[ライブ配信に掛かった経費]をきちんと把握しておくことが、所得税を少なく済ませるためのポイントというわけですね。
ライブ配信にかかる経費にはどんなものがある?】
ライブ配信に掛かる経費には、例えば以下のようなものがあります。
①スマホやパソコン、ライトなどライブ配信に使用する撮影機材
②ライブ配信時に使用する衣装やメイク用品
③ライブ配信時に使用する雑貨や小道具
④ライブ配信に掛かる通信費
⑤ライバー活動に必要なミーティング代や飲食代
⑥ライブ配信のために掛かった交通費、旅費
⑦ライブ配信に使用したスペース代(自宅の場合、家賃や光熱費の一部も該当)
⑧ゲーム配信に必要なソフトやゲーム機
⑨確定申告を依頼した際の税理士費用
⑩宣伝や広告費(他ライバーへの投げ銭など、リスナー獲得のために行った業務全般)
以上のような例を挙げましたが、「こんなものも経費に該当するの?」と思った方もいらっしゃるかもしれません。経費をきちんと把握し集計しておくことは、納税額を抑えるためにも非常に重要です。領収書など経費の証拠となるようなものはどんな些細なものでも良いので、しっかりと保管しておきましょう。
住民税を忘れずに!
副業の年間所得が20万円以下ならば確定申告は不要ということを先述しました。ただし、年間所得20万円以下であっても、住民税における確定申告は必ずしておかなければなりません。通常、確定申告とは所得税におけるものを指し、その申告した所得税の情報を元に地方自治体によって住民税が計算されます。したがって、所得税における確定申告を行っている場合は、住民税における確定申告は不要です。しかし、年間所得20万円以下で確定申告をしない場合は地方自治体にも情報が共有されないため、自ら住民税の申告をしなければいけません。所得税における確定申告については、年間所得20万円以下は免除というルールがありますが、住民税における確定申告についてはそのような免除のルールがないというわけです。住民税の確定申告は非常に抜け落ちやすい点であるので忘れずに行いましょう。
ライバーとして一定以上の収入を得ると確定申告は必須です。後で高額な罰金を支払わなければならないといったことのないようにしましょう。とはいえ、ライバー活動を始めたばかりでどのように計算したら良いのか分からずに時間と手間が掛かってしまうという方も多いはずです。ライバー事務所に所属している場合は、その事務所に顧問税理士が付いているケースもあります。また、担当マネージャーや先輩ライバーが確定申告の資料作成やアドバイスを無料でしてくれるサポート体制が整っている事務所も多くあります。1人でなにもかも頑張ろうとせずに、周囲に助けを求めて確実に確定申告を行いましょう。